仕事について

八雲ソフトウェアの事例

全社のDX化を目指し、まずは総務部門から改革。

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プロジェクト

支援先名
株式会社吉田ふるさと村様
概要
kintoneを活用した人事情報のデータベース化支援
チーム編成
八雲ソフトウェアチームは、リーダーを含む適時2~3名でプロジェクトに参加し、吉田ふるさと村様からは社長、総務部門の課長をリーダーとし、販売部門から1名参画しプロジェクトチームができました。
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全社のDX化を目指し、まずは総務部門から改革。

プロジェクト概要 / 背景

吉田ふるさと村様は、地域で収穫された新鮮な食材を活かし、主に食品加工販売を事業としています。季節ごとの特産品やおもちなどは、注文を受けて販売してます。また地域バスの運行や水道工事、宿泊施設の運営、観光事業なども手がけています。

しかし、主要部署のヒアリングを行う中で、多角化する事業に伴い各事業部門がそれぞれアナログな管理手法を採用していることが課題となっています。これまでに総務部門を主導とした全社DX化に向けた取り組みを何度か試みられましたが進展はありませんでした。

新たな取り組みとして、まずは総務部門から全社的なDX化に取り組む方針を提案しました。具体的なDX支援策として、kintoneを活用した人事情報のデータベース化を提案しました。これまで人事情報や従業員情報が一人ひとりの情報としてExcelで管理されており、通常の総務部門の業務である採用活動などにおいて必要な平均年齢などのデータ作成などの業務に時間を要していました。それは人事情報(Excel)と総務部門の業務が紐づいておらず、仕組み化できていないことが原因でした。

将来的な展望として、人事情報の分析なども視野に入れています。
まずは効率的かつ効果的な業務が遂行できるよう、分析や他業務への展開も見据えた人事情報のデータベース化を行いました。
現在も当社では全社DX化に向けた支援を継続しております。
吉田ふるさと村の組織全体がよりスムーズに運営され、事業成長に向けた全社DX化へのきっかけとなるプロジェクトになりました。

ITOC主催セミナーでの企業訪問がきっかけで始まったプロジェクト。

体制・進行

八雲ソフトウェアチームは、リーダーを含む適時2~3名でプロジェクトに参加し、吉田ふるさと村様からは社長、総務部門の課長をリーダーとし、販売部門から1名参画しプロジェクトチームができました。

このプロジェクトのきっかけは、しまねソフト研究開発センター(以下、ITOC)主催セミナー「X-Tech」での企業訪問がきっかけとなりました。

今回のプロジェクトは以下の流れで進行しました。
・ITOC企業訪問
・ヒアリング
・提案
・要件定義
・基本設計
・kintone構築支援

吉田ふるさと村様自身がkintoneの開発を主導、当社では伴走型のサポートを行いました。

企業訪問

当社のチームリーダーがITOC主催セミナー「X-Tech」を受講しており、その一環で吉田ふるさと村様への視察がありました。そこで吉田ふるさと村様の事業の取組や、課題となっていることを聞きました。他の企業も受講していたので、初回訪問では詳細な情報ではなく概要を聞く形となりました。

ヒアリング

(ITOCセミナーでの)企業訪問の際に、当社のサービスなら吉田ふるさと村様の課題を解決できるのではと思い、もっと詳細を聞きたくアポイントを入れて個別でヒアリングをさせていただく機会をいただきました。当社からはリーダー1名、エンジニア1名、吉田ふるさと村様からは社長、総務部門の課長をリーダーとして、終日かけて主要部署からも現状についてお聞きしました。

吉田ふるさと村様が課題だと認識されている点や事業や業務内容などを中心にヒアリングを行いました。このヒアリングで意識した点としては、事業が多角化しているため、その分課題も多いので、本質的な課題を見極め解決できる提案を行うために多くのヒアリングを実施しました。

総務部門では、すでにDX化を検討していた経緯もあり、今後実現していきたいことがある程度まとまっていたため、今回その内容を資料(メモ)として頂戴しました。
この内容を元に提案資料を作成してまいります。 

提案

初回ヒアリングを通して、当社では販売部門と総務部門へDX支援による業務改善の提案を行いました。

販売部門は受注データや発注データ、お客様の情報をはじめとする基本的なデータをほとんど紙で管理していました。その事実から課題内容も社内の誰でもわかる内容でもあり、速攻性も高かったからです。

総務部門への提案は、事前にいただいていた問題点や質問項目を確認し、当社に在籍する総務・人事業務の有識者と一緒に検討を重ねました。今回の提案では実現したいことの一部をkintoneでサンプルを作成し、より先方にイメージを持っていただくための工夫を行いました。

今回の提案で特に意識した点としては、全てを一度に実施することが難しいため、当社チーム内での協議の中で、どの課題から着手するかについて議論を重ねました。全社的なDX化に向け、まずは、全社のDX化を推進している総務部門の課題解決から着手し、段階的に進めていくことを提案しました。

最終的にこの提案により受注につなげることができました。

すでに総務部門ではDX化を検討していたということもあり、様々なサービスについて理解をされておりましたが、今回私たちが提案したkintoneではどのようなことができるか事前にイメージが湧いていませんでした。今回の私たちの提案でサンプルを作成して見ていただけたことで実際にイメージを持っていただき、前に進めることができました。加えて、いきなり全体から着手するのではなく、総務部門から段階的にスタートしていくというアプローチにもご納得をしていただけました。

要件定義

まずは吉田ふるさと村様でこれまで作成・管理されているExcelの従業員情報を理解することから始めました。kintoneの構築において、将来的に総務部門の要望となるデータ分析や活用に加えて、外部サービスや電子申請、勤怠・給与などとの連携も想定した設計が求められます。そのためには、ファイルの内容を十分に理解し、適切なデータ構造を考える必要があります。また、現状ではExcelで個々の情報が分散して管理されているため、検索も容易ではない状況です。人事情報の検索性を向上させるためにも、どのように情報を分類・整理するかを要件定義の際に検討しました。

要件定義の際に意識したことや心がけたこととして、今後の全社的な展開を視野に入れ、プロジェクトメンバーや実際の利用者にとって使いやすく、適切なものにしないとプロジェクトそのものが終わってしまう可能性もあるし、次に進まなくなることも考えられました。さらに、情報の更新頻度やセキュリティ面も考慮し、従業員情報の管理について慎重に検討しました。

kintoneの基本設計

kintone基本設計では、要件定義を元にリーダーが全体の設計の骨子をまとめました。
またリーダーは事前にkintoneでサンプルを用意し、そのサンプルと設計書を元にミーティングを行い、お客様に設計内容を理解していただきました。

kintoneの構築支援

今回は吉田ふるさと村様がkintoneの構築を行いますので、基本設計を元に構築の支援を行います。

kintoneの構築支援はオンラインミーティングとチャットを活用しています。先方の開発メンバーは総務部門1名、販売部門1名を中心に行いました。非常に積極的で意欲にあふれたメンバーであることと、kintoneが初任者にとっても使いやすいという点もあり、kintoneの理解と構築がスムーズに進みました。

構築支援の際に意識したポイントとしては、今後、全社的な取り組みも控えております。こちら側の対応が悪かったことで次に進まないという事態は避けないといけません。そのため、お客様との円滑なプロジェクト進行をサポートすることが重要となります。チャットでのやりとりにおいても、こちらからの回答などスピーディーな対応が可能となるような準備や配慮を行って支援を行いました。

結果として、従業員情報のデータベース化はスムーズに進み、またその過程でkintoneの活用によって他部署からの総務部門への問い合わせ業務も改善できるのではないかと、先方から提案がありました。構築支援の際は、この開発業務もサポートを行いました。

私たちのDX支援事業では、お客様自身が自分たちで理解し、構築することを大切にし、DX支援を行っています。自発的な業務改善・提案・実行が1番大切だと考えています。今回、自主的な提案が先方から出てきたことはDX支援事業の本質でもありました。

システムの構築だけでなく、業務フローの改善提案も行っています。

構築後の支援

当社として、毎月1回のMTGを通してkintoneの活用方法を随時提案を行っております。業務の特性に応じて可変が必要な場合には、業務フローの提案も積極的に実施しています。これにより、kintoneの柔軟性を最大限に引き出し、各部署の業務プロセスを効率的かつ適切にサポートしています。

また、運用が始まった後も、データの確認において効率化や可視化、資料の見方に関する支援を行っています。これにより、ユーザーがデータを迅速かつ正確に把握できるようにし、業務の円滑な進行をサポートしています。

さらに、データの蓄積が進んだ段階での提案も実施しており、今後の運用においての最適な設定や機能の活用方法に関する助言を行っています。従業員情報のデータベース化が実現した現在、通勤手当や人事情報など、様々なデータを結びつけ、一元的に管理できるような仕組みを整備し、効果的な活用を促進していく方針です。

吉田ふるさと様の中でも、各部署から総務部門への書類作成依頼や備品発注の連絡など、kintoneで受付管理したり、紙で行っていたお餅の注文受付業務をkintoneで行うように変えたり、自主的に積極的な業務改善を行うことで時間が短縮されたりミスが減ったりと、効果が出始めています。

効果が現れると、次々に新しいアイデアが出て非常にいいサイクルができています。特に全社的なDX可に向けて、このポジティブな循環は非常に重要です。素晴らしいアイデアやイノベーションが生まれることで、DX化への道筋が明確になり、組織全体が前進しやすくなります。当社といたしましても、吉田ふるさと村様の事業成長の要となるDX化に向け、継続して伴走型のサポ―トを行ってまいります。